Q3.沖中先生時代から、商品学はどのような変遷をたどってきましたか?
 私が商品学の認識対象の拡大や物財のみならずサービス、権利財などの知見について最初に学んだのは、沖中教授の研究室でした。最初に出会った商品学の本は、同志社高商時代から残された古いものでした。

 坂口武之助著『高等商品学』三省堂、1925年
 上坂酉三著『商品学概論』早稲田泰文社、1926年
 小原亀太郎・小瀬伊俊著『商品鑑定』瞭文堂、1922年 等々

 これらの著書は、私の初期のゼミ生が、教科書か参考書代わりに使った、石井頼三・島田記史雄編『商品学』清林書院新社、(初版)1963年と比較してみても大同小異で、それぞれ特徴はあるものの、商品概念を明確にしないまま、産物ないしは製品の、生産、流通、消費上の即物的な諸特性を記述したりするものでした。したがって、そこで体系的な商品学の理論や商品の原理論に出会うことは無かったように記憶しています。
 
 しかし、今日では、商品学の研究対象として、“こと商品”や“金融商品”等も加えられ、その方法論も随分変化してきているとおもいます。この項目も、具体的なエピソードを加えて後刻書き込みます。 
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